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2011.12.09(Fri):短編小説
透き通ったお姉さんは あたしを見つめると微笑んだ
笑っているんじゃなくて 悲しいのに笑ってる・・・


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お母さんが 真夜中過ぎにティ‐ちゃんを呼んで
抱っこする時と おんなじ顔 で・・・
 ( でも、ちょっと、ううん、かなりお母さんよりは若いんだけど・・・)

「ティーちゃんのお母さんが、生まれてくる前にね私 神様に妹を
お願いしたの、そしてお家に赤ちゃんが来たとき
私は初めてお姉ちゃんになれたのよ・・・
それまで妹だった私が、おうちに赤ちゃんが来たことで
お姉ちゃんになれたのよ。」

透き通ったお姉さんは、人間のお母さんのお姉さんで、でもお姉さんの方がわかくって
お母さんには赤ちゃんだった時があって・・・
ん~ っと
ティーちゃん よくわからなくなっちゃった。
泣いてたあたしは、いろんなことを
考えているうちにいつの間にか泣き止んでいた。

だって お姉ちゃんだったのよって もう違うって事なの?
それまでは妹だったって?

妹なのにお姉ちゃんになれるの?
それも魔法?
魔法をかけて 妹だったお姉さんがお姉ちゃんになれたの?

あたしはいつの間にかお母さのお姉ちゃんに
「わんわん くんくん くぅ~ん くぅ~ん」っていっぱい いっぱい質問していた
お姉ちゃんのお膝をかりかり 「ねぇねぇ 」 
しゃがんだお姉さんのお膝にのぼってお顔をぺろぺろ
「どうして?どうして?なんでなの?」

「ティーちゃん ティーちゃん ちゃんとお話するから、ちょっと待って。」
そう言って お姉さんは あたしをお膝に乗せたまま今度は両手で抱えるように
抱き上げた。

立ち上がったお姉さんの上から見た景色は
シャボン玉が光る 青い青いお空がどこまでも広がっていて 

遠くに白い雲が流れてた。

「少し歩こうかしらね?ティーちゃんも、この世界よく見てみてね。」

透き通ったお姉さん
お母さんのお姉ちゃんが歩きはじめたら・・・
(だってお母さんのお姉ちゃんって聞いたら、やっぱりお姉ちゃんの方がいいかな?って)

歩き始めた足元から 小さな白いなお花が 足跡を追いかけるように咲き始めてくるの
お姉ちやんの腕の中から 身を乗り出して下をみてたら

「シロツメクサよ あなたのお母さんがティアラの冠を作ってくれたでしょう?」
本当だ あのお花が お姉さんの足元からどんどん次々咲いてきて

下ばかり見ていたティーちゃんが ふっと歩いて来た原っぱを見て見たら
そこにはいつの間にか白いシロツメクサの道が出来ていたの。
ここは不思議な場所なんだ。

お母さんは、種を撒いて草花を育てようとしたけれど、いっぱい撒いたのに 小さい芽のまま
枯れちゃってお花が咲かなかったから・・・

きっとお花は植木鉢じゃ窮屈で こんな広い場所じゃなきゃ咲きたくなかったのかな?
そんなことを思いながら お姉ちゃんの腕の中で、ゆらゆら揺れながら
あたしは お姉ちゃんの事を考えていた

あたしのお姉ちゃんはバンビちゃん すぐにがるるするし
おもちゃも オヤツも最近は貸してもくれない 意地悪なお姉ちゃんだけど・・・

本当は とっても優しくて いっぱい遊んでくれて 色々なこと教えてくれるお姉ちゃんだった
大好きだったんだけどな・・・

いつの間にか 嫌いになっちゃっていたけど・・・
でも、バンビちゃんは すごくって一人で散歩もできちゃうし お母さんの自転車の籠にも乗れて
知らない人とでも平気でお話しできちゃう わんこなの

ティーちゃんは 自転車の籠は怖くって絶対絶対乗りたくなくって、足をつっぱらして嫌々したから
お母さんは お買い物に行くときは、しょうがないわね、ティーちゃんははお留守番ねって
オヤツとおもちゃをもらって あたしは一人でお留守番
バンちゃんはお母さんはひとりじゃ危ないから、あたしが行くわねって
いつもお母さんの見張り役に自転車のカゴに乗ってお買い物に行っていたの

お母さんに怒られて ティーちゃんが一人でベランダに家出したときも バンちゃんはお母さんに一生懸命謝ってくれて、お母さんとベランダ迄呼びに来てくれた。
 あたし 本当は、もう絶対お家になんか入らないって思っていたけど、お家からひとりじゃ出られないし、階段も、あの時は小さかったから 降りれなくて面白くないことがあると、良くベランダに家出したんだっけ?
いつも ばんちゃんがお迎えに来てくれて お部屋にもどっていたんだっけ?

もう バンちゃんにも会えないのかな?
バンちゃんは あたしのお姉ちゃんだけど あたしにはちゃんと本当のお姉ちゃんがいて・・・
お姉ちゃん どんなお姉ちゃんなんだろう?

そんなことを考えながら シロツメクサの道を ずっとずっとお空に向かってお姉さんと歩いていたの


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